担当者によるセミナーレポート2016

2016年には、福岡、東京、仙台、大阪、名古屋でのセミナーを予定しております。

ここでは、参加できなかった皆様のために、セミナー担当者によるレポートをお届けします!

 


2016年度のセミナー

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第6回養護教諭の現場力向上セミナー

■日時:2016年11月27日(日)10:30~16:15 (開場10:00~)

■場所:損保会館(JR、地下鉄「御茶ノ水」駅から徒歩5分)  

 

今回もたくさんの養護教諭の先生方にご参加いただき、ジャパンライムとノボ ノルディスク ファーマ共催の第6回養護教諭の現場力向上セミナーが開催されました。

 

第一講座「病院前救急医療体制における養護教諭の役割」

講師:鈴木 哲司先生(帝京平成大学 健康メディカル学部 准教授)

 

 第一講義は「病院前救急医療体制における養護教諭の役割」と題して、帝京平成大学准教授で一般社団法人日本救急救命士協会会長の鈴木哲司先生にお話しいただきました。

 最初に救急・救助の現況や救命の可能性と時間経過、救急車の対象となる傷病者、119番通報要領、到着した救急隊員に伝える内容、通信指令室や出動途中の救急隊からの口頭指導などの救急車に関する全般的なお話がありました。

「反射的に返事する」など、119番通報に見る人間行動の紹介に続いて、三次医療機関としての救命救急センター、ドクターヘリ、ドクターカー、救命救急士の処置範囲など救急医療システムについて詳しく説明いただきました。

 

 最後に「幸福と健康」というテーマで、ポジティブ心理学の研究結果や睡眠時間に関する研究、プレ・アンビュアランスケア、ハインリッヒの法則などの紹介があり、「養護教諭としての専門性を発揮し地位向上を図るためにも知識と技能の維持に積極的に努めてください」というエールで締めくくられました。

 

 《参加者のお声》

とても分かりやすく勉強になるお話でした。また養護教諭という自分の立場・役割を再確認できたように思います。119番通報要領、幸福と健康が特に参考になりました。救急救命の視点から養護教諭の役割(プレアンビュアランスケア・命の授業)を学ぶことができました。救急医療につなげる前のプレホスピタルケアについて再確認できた。なかなか見ることのできない現場の映像や医療の実際について講義してくださったことも印象的だった。

 

 

第二講座「小児の成長について知っておきたいこと」

講師:樋口 桂先生(文京学院大学 保健医療技術学部 理学療法学科 教授)

 

 お昼を挟んで、第二講義は日本大学 医学部小児科学系小児科学教室教授の浦上達彦先生による「小児の成長について知っておきたいこと」です。概要は以下の通りです。

 

・低身長とは、平均-2SD(標準偏差)より低い場合と成長率が低い場合があること、成長曲線を作成するのがいい。

・低身長の主な原因には、成長ホルモン分泌不全性低身長症などの内分泌疾患と染色体異常や低出生体重児による成長障害(SGA性低身長)、体質性低身長などなどの非内分泌疾患があり、体質性低身長がもっとも多い。

・背が低いと来院した場合に、「様子を見ましょう」では得策ではない場合と、問題ない場合がある。問題ありそうな場合は検査する。

 慢性疾患がないかなど、一般検査に加えて成長ホルモン分泌刺激試験、ALP検査などを行う。

・体質性低身長には食事栄養指導など、成長ホルモン分泌不全性低身長症には成長ホルモン療法など、SGA性低身長症には食事栄養指導の他成長ホルモン療法など、それぞれ診断された疾患に対して、適切な治療を早期に導入することで成人身長が改善される。

 

 《参加者のお声》

成長曲線についての説明や低身長の定義が分かりやすかった。医療につなぐポイントもよくわかった。二次性徴の段階もあわせてご説明いただけたので、発育曲線をより多面的に見るよい学びとなりました。専門用語もわかりやすい言葉で丁寧に教えてくださったので、とても理解しやすかった。低身長の原因や種類、治療法がとても参考になりました。低身長といっても内分泌疾患とは限らないことと、成長曲線を基に幅広く原因を考えていくということが参考になった。

 

 

第三講座「保健学習で使える『カラダの疑問』」

講師:樋口 桂先生(文京学院大学 保健医療技術学部 理学療法学科 教授)

 

 最後は「世界一受けたい授業」などメディアにも多数出演している樋口桂先生の講義でした。

カラダのしくみについて、ふと「どうして?」と疑問を感じる、その“疑問をもつ”ことが保健指導にあたって大切なこと、そして自分のカラダの「なぜ?・ビックリ!」を興味・関心の取っ掛かりにして、外れても良いから「どうなっているの」と予想を立ててみることが大切だとの前置きに続いて、クイズが投げかけられました。

 

・大人の皮膚の表面積はどのくらいある?

・両手の骨数は全身の骨数の何割くらい?

・小腸の表面積は新聞紙何枚分?

・精巣の中で精子をつくる管の総延長は?

・1人の血管の総延長は?…などなど、会場の皆様に挙手していただきながら、解答をそのしくみや覚え方等とともに分かりやすく示していただきました。

 

 耳以外で音を感じる器官については、受講者のおひとりに壇上に上がっていただき、音源につないだ割り箸を歯で挟んで、ヘッドフォンで耳をふさいでいても音楽が感じられるかどうかの実験に参加していただきました。

 

 最後には「なぜ使いもしない男におっぱいがあるのか?」という疑問に、様々な動物の写真などを使って納得のいく解説をいただきました。

 

 《参加者のお声》

子どもたちに伝えたいクイズばかりでした。自分も勉強になりました。保健指導や掲示物作成で使わせていただきます。「やらなければならない保健指導」はなく、「やりたい保健指導」と思える講義でした。分かりやすくフランクな中に専門的な話がたくさんあり学ぶ部分が多かった。解剖学の視点から体を見つめることで興味・関心を深めることができそうです。

 

【セミナー担当者より】

この他にもたくさんの貴重なご意見を頂戴しました。

 本当にありがとうございました!またのご参加をお待ちしております。

 

 


現場で活かせる養護教諭のためのセミナー2016 in 名古屋

11月12日(土)、名古屋駅から徒歩5分のところにあるウインクあいちで「現場で活かせる養護教諭のためのセミナーin名古屋」を開催しました。

 

第一講座「発達障害とライフサイクル~養護教諭として知っておきたい発達課題~」

講師:豊田佳子先生(特定医療法人共和会共和病院 診療部 臨床心理科 臨床心理士)

 

 第1講演は豊田先生の「発達障害とライフサイクル」でした。最初に発達障害の種類について概略を説明していただきました。

 そして順に乳児期、幼児期、学童期、思春期・青年期、成人期のそれぞれの発達課題、支援・援助について事例を交えながら紹介いただきました。そこには治すというより人生で困ることをどうサポートするかという考え方が貫かれていました。

 続いて事例化として、曖昧や暗黙が苦手な“イマジネーションの障害”、他者と密接な関係を築くことが苦手な“対人関係の障害”、自分の意見を伝えることが苦手など“コミュニケーションの障害”、ハサミが上手に扱えないなど“強調運動の障害”、光や音の強い刺激に弱い“感覚の過敏性”を挙げられました。

特にASDをもつ人たちの体験世界について解説がありました。発達障害をもっている子は何が起こるか分からないから強い不安、パニックになる、どうしたらいいか分からないから動けなくなる、などの話でした。

 最後に、能力評価から独立した関わりがしやすい養護教諭は手当の機能、休養の場を提供できる、痛みへの労りを通した関わりができる。それゆえにその子が生きている世界について関心をもち、想像し、寄り添う姿勢で“周囲/社会との懸け橋”という役割を担ってほしいという願いを込めて締めくくられました。

 

ランチョンセミナー

講師:相本篤子先生(一般財団法人 電気安全環境研究所 電磁界情報センター)

 

 お昼はお弁当をお召し上がりになりながら「低周波電磁界の健康リスク評価~WHOの国際電磁界プロジェクトを中心として」と題したお話を相本先生から聞きました。

 

第二講義「評価の視点で保健室経営計画を見直そう。~養護教諭だからできる実践後の評価とは~」

講師:下村淳子先生(愛知学院大学心身科学部健康科学科 准教授)

 

 第2講演は愛知学院大学でこれからの養護教諭を育成されている下村淳子先生の講義でした。下村先生は24年間養護教諭をされていた経験をお持ちなので、現場の視点に立ったお話をしてくださいました。

 最初に保健室経営と保健室経営計画についての確認がありました。

 そして今回のメインテーマである評価・検証に入りました。立てた計画の評価の重要性に続いて効果の検証方法について調査の際に自由記述やインタビューを入れる、クロス集計をするなど具体例を挙げて分かりやすくお話しされました。

途中隣の先生とお互いに自分の学校での活動を披露する時間もとられ大いに盛り上がりました。

 最後に保健室経営の充実のためにということで、「こんな保健室どう?」という多くの例を挙げられ5S+Sについて解説されました。

さらに「こんな養護教諭どう?」という例も挙げ注意を喚起されました。保健室のアロマ使用はリラックスできるかなど、今から聞けない保健室のQ&Aについて、それぞれの理由を添えて回答いただきました。

 

第三講義「緊急事態とその対応」

講師:青木瑠里先生(愛知医科大学病院 救命救急科 医師)

 

 第3講演は、昨年受講された方からご推薦のあった愛知医科大学病院救急科の青木先生の「緊急事態」でした。

 青木先生はドクターヘリに乗って救急現場に駆けつけ診断・治療を行っています。最初の30分で、救命率の向上や後遺障害の軽減を図るために実施するドクターヘリについて紹介があり、ヘリポートの注意事項や校庭を使用する際のご協力のお願いなどがありました。

 今回のメインは救急車やドクターヘリが出動するほどの緊急事態があった場合に、居合わせた児童・生徒そして養護教諭をはじめとした教員の精神状態についてです。

救命に向けて頑張っても、あれで良かったのかなど、心はいつまでも落ち着かず、普通の精神状態ではいられなくなる。医者ですら非常に重いストレスを感じる。こういう時どうしたらいいか、著名な精神科医が1969年に提唱した「死を受け入れる五徴」についての解説を挟みながら受講者に問いかけられました。

 そして人と、人の死について話してみる、人の「死」から「生きる」について考えることの大切さ、惨事に遭遇したそのあとに、惨事に遭遇したメンバーだけでまずそのことを振り返る、どんなことでも話してみることの大切さを教えられました。

少し怖い話でしたが、「養護教諭は医療の知識がある だから弱みを見せられない とは思わないでください」というエールが送られました。

 

 《参加者のお声》

発達障害をライフプランの中でつなげながら聞けたことが良かったと思います。子どもたちに伝えたいクイズばかりでした。自分も勉強になりました。保健指導や掲示物作成で使わせていただきます。子どもの健康課題を改善するために実践し、それを検証する時期なので下村先生の講演内容はとても有意義でした。今年度実践したものを評価するデータとしてまとめたいと「思います。第二講座では評価のポイントを分かりやすくお話ししてくださったことで理解が深まりました。立派なことでなくてもいいから、身近なことで少しずつよりよい実践をと感じました。今悩んでいた分野だったので、とても参考になりました。早速明日から実践を楽しんでやってみようと思える内容でした。長野から来た甲斐がありました。学校での取り組みの意欲をかきたてられたり、心のケアや死を考えさせられたりと、有意義なセミナーだったと思います。緊急の時のこと、あの事例は本当に救急車を呼ぶべきだったのか、不安なことが確かに解消されないままであったということに気付きました。また学校で話せる場を作っていきたいです。惨事にあったとき、現場にいた人のその後について考えたことがなかったので、大変勉強になりました。緊急事態に遭遇した養教を含めた当事者同士の話し合いがいかに大切か、今までのPTSDのイメージがもっと現実問題として捉えることができました。養護教諭を目指す学生として、普段の大学の座学や実習では学べなかったことを、とても多く学ぶことができました。

 

【セミナー担当者より】

この他にもたくさんの貴重なご意見を頂戴しました。

 本当にありがとうございました!皆様のまたのご参加をお待ちしております。

 

 


養護教諭セミナー2016 in 大阪

8月21日(日)、10時から大阪のエルおおさか南館南ホールで養護教諭のためのセミナーを開催しました。

大阪での開催は今年で3回目になります。参加された先生方の多くは近畿地方からでしたが、高知県や佐賀県といった遠方からもご参加いただきました。

 

第一講義「養護教諭はどのようにしてコーディネイト(連携)を図っていくのか」

講師:古角好美先生(大和大学 保険医療学部看護学科 教授)

 

 今まで開催したセミナーのアンケートで、「例えば熱中症のことは自分ではよく分かっているつもりで他の先生方にも知ってもらいたいが、なかなか上手く連携できない」など、養護教諭が学校内外で連携をうまく図っていく方法が知りたいという声が少なからずありました。

そこで、その方面の専門家の古角先生に講師をお願いしました。

 先生曰く、これはただ話を聞いているだけでは身につかない、グループワークで考えたり議論したりすることで実践力が養われるとのこと。まずは、小学校、中学校、高校・大学ごとに5~6人のグループに分かれて、グループワークを行っていただきました。ワークに先立ち、古角先生から『養護教諭の役割』について話があり、中でも特に①医療機関との連携 ②教職員との連携を挙げられていました。

  続いて、保健室によく来るケースといして、擦過傷、熱傷、傷がなかなか治らない場合、突き指、捻挫に対して保健室でどういった処置が必要かを教えていただきました。

 

◎グループワークの様子

 まずは簡単な自己紹介から始まりました。

グループはランダムに分けられていましたので、グループ内メンバーはお互い初顔合わせで、最初はやや硬い感じでしたが、ワークが進むにつれて非常に盛り上がっていきました。

続いて、「コーディネート」と聞いて思いつくことを付箋にどんどん書いて模造紙に貼っていきます。

そしてそれらをグループ分け。次に1人を残して他のグループに移動、自分たちにはなかったネタを盗んで自グループに持ち帰ります。

 そしてここから本題。

「養護教諭のコーディネイトはどのようにすればいいか」について意見を出し合い、文章化していきます。

そして「コーディネイターになるために、今後どんな能力・資質を身につける必要か」を議論し、最後は書かれた模造紙をパネルに貼りました。最後は、多くの先生がスマートフォンを使って撮影されていました。

 《参加者のお声》

グループワークではいろんな先生の話を聞くことができて、新たな視点を持つことができた。小グループでの話し合いはとても有意義でした。参加型の方が面白いです。具体的な内容で、実際に現場で使えそうでした。グループで楽しくできました。
コーディネイトするためのポイントを学ぶことができました。何の会議でも到達したい目標を、参加者がみな同じように持ってないといけないことが良く分かりました。

 

 今回のグループワークは初めての試みでしたが、参加された先生方にはとても好評でした。

直接お話をお聞きした先生には「グループワークが第一講義だったので、同じ養護教諭の方と親交を持つ良いきっかけになり、チームの人とその後も意見を交わすことが出来て良かったです」とおっしゃっていただきました。

 

ランチョンセミナー「低周波電磁界の健康リスク評価」

講師:大久保千代次先生(一般財団法人 電気安全環境研究所 電磁界情報センター所長)

 

 お弁当を召し上がりになりながら、電磁界情報センター・大久保千代次所長のお話を聞きました。

「低周波電磁界の健康リスク評価~WHOの国際電磁界プロジェクトを中心として」と題して、身の回りの電磁波と健康影響について、WHOなどの科学的な見解を分かりやすく解説いただきました。

 

 《参加者のお声》

昼食の時間も無駄にせず、盛りだくさんの内容だったので、明日からの執務に生かしたいと思います。お昼の時間もお話を聞かせていただけるのが画期的だと思いました。自分がいかに情報にまどわされているかがよく分かりました。もっと勉強したいと思いました。

 

第二講義「現役救急医による新しいフィジカルアセスメント」

講師:那須 亨先生(和歌山県立医科大学 外科医/救急医)

 

 那須先生は大阪のセミナーで大変人気のため、3年連続のご出演をお願いしました。

1年目は「救急車を呼ぶべきかの見極め」、2年目は「救急車が来るまでにできること・すべきこと」と「救急車を呼ぶレベル」のお話でしたので、今回は軽傷から中等症のお話をお願いしました。

 

フィジカルアセスメントの基本について

 最初に、フィジカルアセスメントの流れとして、<第一印象>→<バイタルサイン>→<問診>→<随伴症状>となることをお話いただきました。

バイタルサインは脈拍、血圧、呼吸回数、酸素飽和度、体温でそれぞれ基準値があります。

ここでは、指に入れるだけで脈拍と酸素飽和度を簡単に測れる、パルスオキシメータの紹介もありました。

また、CRT(爪を5秒間圧迫し、解除後に赤みがもどるまでの時間)も簡単にできるということで紹介がありました。

 

保健室に来た生徒たちの重症度を見極め、病院受診や救急車を呼ぶか否かを判断すること。

 これは養護教諭の最も重要な仕事ですが、生命を維持するための必須事項であり、経験や知識に左右されない客観的な指標であるバイタルサインの重要性を改めて知ることができた貴重な機会となりました。

また、重症度を見極めるコツとして、「顔色」「表情」「姿勢」「歩き方」「話し方」などに注目するといいなど、とても実践的な内容が多く、脈拍などを取りながら話に聞き入る参加者の姿が印象的でした。

 

ケガ・症状別の対応について

 続いて、腹痛、頭痛について、<第一印象><バイタルサイン><問診><随伴症状>の順に詳しい解説をいただきました。

「アレルギー」については、特にアナフィラキシーショックについて、2012年に乙京都調布市で起きた具体的事例に基づいた話がありました。この話は実は今回で3回目となり、主催者としては「別のお話をした方が良いかのではないか」と申し上げたのですが、那須先生から非常に重要で、かつ現場で命を救える話のため、是非話したいといご要望があり、お願いしました。受講者アンケートを見ると、話していただいて良かったようです。

 そして最後は、火傷・熱傷について重症度の見極め方、対処法をレクチャーいただきました。

時間に少し余裕がありましたので、質問の時間がとれました。ひどい日焼けで登校した生徒や、朝礼で倒れる生徒が多い場合どうしたらいいかなどの質問に答えていただきました

 

 《参加者のお声》

救急処置のお話も心に残るものでした。アレルギーの話も学校に持ち帰り、教師の意識向上に努めていきます。フィジカルアセスメントやアレルギーなど、再度確認することができて良かったです。その時がいつ来るか分からない危機感を持ちながら備えていこうと思います。実際に現場であることを具体的にイメージしながら聞くことができました。今後に活かしていくことができると思うので、とてもよかったです。お話が分かりやすく、大切なポイントを再確認できてよかったです。バイタルを優先順位に考えてよいことを教えていただき、安心できました。丁寧なお話で、改めて手当の要領を確認できました。CRTは初めて知りました。分かりやすくて良かった。調布市での出来事の詳細は初めて知りましたが、サインはいっぱいあったと思います。その時の行動が全てだと、強く記憶に留めたいと思います。救急処置ではまずフィジカルアセスメントが必要ということが分かりました。同じ町内の先生と情報を共有・伝達し、職務の向上に努めたいと思いました。

 

【こぼれ話】那須先生が監修・出演した養護教諭向けDVD『救命救急医による「新フィジカルアセスメント・トレーニング 」』が発売となり、当日は那須先生が解説を入れながらダイジェスト版をご紹介くださいました。

 

また、弊社の商品が並ぶ展示ブースでも、映像を流しながら紹介させていただきました。興味のある方は、下のボタンより詳細ページをご覧ください。

第三講義「発達障害をもつ子どもを含む児童生徒の現状と課題、養護教諭にできること」

講師:品川裕香(教育ジャーナリスト)

 

 昨年の受講者のアンケートで品川先生のお話を聞きたいという声がありました。すぐに先生の事務所に連絡をとり、お忙しい先生のスケジュールの合間を狙ってご出演いただくことになりました。

溢れんばかりの知識・情報をお持ちで、大変な迫力でよどみなくお話しされました。その迫力に驚かれた方も多かったのではないでしょうか。

 

子どもたちの10年後、20年後を見据えた指導をしてほしい

 話の要旨は以下となります。

 

・考えなければならないのは10年後、20年後の社会。遠くない将来には今ある職業の半分以上はなくなっているという研究結果も。一方で今はない職業に就く人の割合も65%以上とか。生得的な課題を持つ人たちの職域が大きく変わる可能性も大。

・2016年4月施行の「障害者差別解消法」で、「合理的配慮」が公的機関に義務付けられた(民間は努力義務)。「合理的配慮」とは「気を使う」という意味ではなく「必要かつ適当な変更および調整」のことである。

・教育の目的は、①社会化(自立・社会参加)させるため、②社会不適応にならないようにさせること。その対応のカギは予防にある。

・生得的要因・環境要因に関わらず、社会参加が難しい若者が増えている。

・これからの時代を生きる子どもたちに求められる資質・能力は、①知識、②スキル、③人格・性格で、全ての土台にメタ認知がある。

・読むことが難しいなど読むことに問題がある場合、知識が増えない→学習全般に影響→学校での居場所がない→自己効力感を失う→不適応を起こすリスク要因が高まる。

・その子の脳神経のパターンを踏まえて教えないといけない。

・指導の効果をあげるためには、学習レディネスを踏まえる必要がある。

・健全な心の発達には、各年齢に応じた発達課題がある。例えば、集団を学ぶべき時期に学べず、そのまま学べないでいると、将来の逸脱のリスクは上がる。

・合理的配慮には「授業の録音・撮影の許可」「テスト時の読み上げソフトの活用」などがある。

・養護教諭にできることは、まずはすべての子どものメタ認知の強化にある。あらゆることを言語化させる、本人の学習スタイルを発見させ、スタディスキルを身に付けるコツを教えるなどが必要となる。

 

 教育ジャーナリストとして、幾多の現場を見てきた品川先生ならではの具体的なエピソードの数々が披露され、あっという間に90分が過ぎていました。

特に印象的だったのが迷ったら常に立ち返るべき原点は「何のために教育をしているのか」というお話でした。先生が例などを出しながら強調されていたのは「障害特性と問題行動を同一視しないこと」。

子どもたちの10年後、20年後の将来を考え、障害免罪符にするのではなく、障害があって社会のルールを守るべきであり、社会貢献のできる人間になることを、しっかりと保健室で教えてほしいという品川先生の熱いメッセージに心を動かされた先生方も多く、たくさんの反響をいただきました。

 

 《参加者のお声》

パワフルな品川先生の講演に拍手!!元気をいただきました。今まで自分は「教育者」として関わっていなかったのを痛感しました。もう一度勉強し直したいです。お話は刺激的で、今後力をつけようと学習意欲が増しました。特に品川先生の話は分かりやすくどれも現場で実践したいと思いました。講義はすごい量でしたが、とても勉強になりました。ぜひまた聞かせてほしいです。

 

【セミナー担当者より】

この他にもたくさんの貴重なご意見を頂戴しました。

 本当にありがとうございました!皆様のまたのご参加をお待ちしております。

 

 


養護教諭の現場力向上セミナー2016in仙台

7月17日(日)、宮城県仙台市の東京エレクトロンホール宮城で養護教諭対象のセミナーを開催しました。

 

【第一講義】「これで安心!北垣毅のヒヤリハット検証講座」

講師:北垣毅先生(花見川中央クリニック院長/千葉大学臨床教授)

 

 午前は、北垣先生の講義です。北垣先生は様々な地域から研修会講師や講演会の要請がある大人気の先生です。

最初に今年から実施された『運動器健診』について、なぜ忙しいのに開始されたのかを解説。

これは運動不足による体力・運動機能の低下と運動のし過ぎによるスポーツ障害という現代の子供たちの二極化という問題が背景にあり、疾患・障害を早期発見することにあるとのお話いただきました。

 

 授業中、最後までじっと座っていられないなど具体的状況を画像入りで紹介。そして運動器健診で注意すべき疾病及び異常として、脊柱側弯症、腰椎分離症、野球肘、ペルステ病、大腿骨頭すべり症、オスグッド病のそれぞれの特徴、対応についてお話いただきました。

 続いて、保健室によく来るケースとして、擦過傷、熱傷、傷がなかなか治らない場合、突き指、捻挫に対して保健室でどういった処置が必要かを教えていただきました。

 

第二講義「伝わる資料の作り方:WordやPowerPointで使えるデザインの基本ルールとテクニック」

講師:高橋佑磨先生(東北大学 学際科学フロンティア研究所 助教)

 

 午後からは、高橋佑磨先生による「伝える資料の作り方」です。

 

保健便りなど掲示物などを作る機会の多い養護の先生方ですが、WordやPowerPointを勉強したいけど、後回しになっていて…という方は多いのではないでしょうか?

まず、実際に街にある掲示の写真を例に挙げながら、以下の点についてお話されました。

 

◎フォント

長文(読ませる文章)にはゴシック体ではなく明朝体が基本、短文(見せる文)にはゴシックかサンセリフがおススメ。

 

◎字の大きさ

和文とアルファベットが混ざっている時は大きさ、太さに注意が必要だということ、絶対的な大きさでなく、相対的な大きさが読みやすさを左右すること、行間、段落間隔、字間、インデント、左寄せ、改行位置、小見出し、一行の長さなどに気を付けること。

 

◎デザイン

目立たせようとして却って見づらくしていることがあるため、塗りと枠の両方に色を付けないこと、

囲みの角に丸みをつけすぎないこと、枠の中に余白をとる、囲み過ぎない、写真や図を拡大・縮小する際に縦横比を変えないこと。

 

◎色

初期設定では原色になっているが、原色は使わずトーンを落とすこと、色数はできるだけ減らすこと色覚障害者のことも考慮して色を選ぶこと…などなど、すぐに実践できる知識が盛りだくさんでした。

 

【第三講座】「養護教諭が行う発達障害を持つ生徒への対応・サポート」

講師:三浦光哉先生( 山形大学大学院教育実践研究科(教職大学院)教授)

 

最後の講義では、三浦先生から特別支援教育と養護教諭の役割のお話があり、その一つとして、特別支援対象児一覧表など備えておくべき資料などが示されました。

 

 そして「てんかん」「ADHD」「ASD」「躁鬱」等で薬物療法をしている生徒は意外と多く、生徒ごとの薬品名と副作用と配慮事項は把握しておかないといけないということ。(児童精神科で用いられる代表的な薬についても解説がありました)

様々な障害児が入学してくるため、人的配慮や担任へのアドバイスとして座席配置、照度、空調などの配慮が必要など、宮城県公立小学校9年、宮城教育大学附属特別支援学校11年、計20年の現場経験を持つ三浦先生ならではの貴重なお話に先生方も熱心にメモを取られていました。

 

 次に「学習障害」「注意欠陥多動性障害」「自閉症スペクトラム障害」「てんかん」について解説をいただきました。不登校については、その要因、対応の抜本的見直し(対処療法的施策から予防的・介入的施策へ)のお話の後、不登校改善のテクニック28のうちいくつかを資料で紹介。さらに重要なものについて補足説明がありました。

 

最後に「母親が躁鬱?を持っている場合」「保護者が発達障害?を持っている場合」の対応、さらに一般的な保護者への説得(検査・病院)の仕方、保護者説得ができない場合にどう伝えれば良いかなどを教えていただきました。

 

 《参加者のお声》

北垣先生の講義は実践に即しており、また必ず「自信を持って」と励ましの言葉があってうれしいです。資料の作り方を丁寧に教えていただき、是非これから参考にします。3つとも興味深く良いテーマでした。場所が便利で分かりやすかった。「伝わる資料の作り方」は今までにない研修でした。とても良かった。専門家の話がきけてとてもよかったです。次回も機会があれば受講したいと思いました。
発達障害、不登校については対応に悩んでいました。学校でも参考にしていきたいと思います。

具体的な例を挙げていただきながらより詳しく教えていただけたので実践に活かしたいと思います。

三浦先生のお話をお聞きして養護教諭に求められるものが多いと感じました。研修が必要だと思いました。

昨年に引き続き、北垣先生の講演を聞くことができて良かったです。今年度より開始された運動器について詳細を知ることができ、勉強になりました。外傷の処置の仕方も緊急性など分かりやすく説明してくださり良かったです。高橋先生の講演では「伝わりやすい資料の作り方」を勉強でき、早速テクニックを使っていきたいと思います。

 

【セミナー担当者より】

この他にもたくさんの貴重なご意見を頂戴しました。

 本当にありがとうございました!皆様のまたのご参加をお待ちしております。

 

 


第5回養護教諭の現場力向上セミナー in 東京

日時:2016年6月25日(土)10:15~16:30 (開場9:45~)

会場:損保会館 大会議室(JR 御茶ノ水駅 聖橋口 徒歩5分ほか)

大好評をいただいている東京での養護セミナーも今年で5年目を迎え、今年も多くの先生方にご参加いただきました。

今回は、ジャパンライムのセミナーではおなじみの北垣毅先生が二講義を担当。

午前中の講座への皆様からいただいた質問に対して、当日の午後に回答いただくという初めての試みを実施しました。

 

【第一講座】「ここだけは知っておきたい!実践養護臨床塾」

講師:北垣毅先生(花見川中央クリニック 院長、千葉大学医学部 臨床教授)

 

毎日目にする病気や怪我、忙しいあまり振り返りせずにどんどん経験だけを積み重ねていませんか?

こうしておけばよかったのかなとか、病院ではどんなアプローチをするのだろうか?なんて思いませんか?

第一講義では、そんな中で誰もが学校現場で悩む臨床での疑問点を解説いただきました。

 

「なぜ今、運動器検診なのか」

まず冒頭では、「今、学校医の間で大変なことが起きている」というショッキングな見出しと共に、埼玉県吉川市の小中学校の校医16人のうち、10人が一身上の都合で3月末に辞任したことに触れ、健康診断の日程に影響を及ぼしかねない事態に直面していること、忙しいこの時期になぜ運動器検診が開始されたのか、現代の子どもたちが抱える問題、運動器検診で注意すべき疾患とは?…など、スライドを用いて丁寧にお話くださいました。

 

 

「どういう生徒が緊急搬送になるのか」

次に「急に下腹部痛を訴えた女子生徒」という事例をもとに、6~18歳で良く見られる疾患や、緊急を要する腹痛について、どういったケースは緊急搬送になるのかを具体的に解説いただきました。

ここでは、急激に始まり、動けないほど痛みが強い場合、長時間痛みが持続する場合だけでなく、良くあるケースとして便秘が疑われる場合についても触れ、卵巣が大きくなり、腸の動きが悪くなって便秘になるケースもあるため、激しい痛みが出ているときには緊急搬送してくださいという北垣先生からの心強いアドバイスがありました。

 

また、便秘対策や、「時々やってくる腹痛」についての事例も紹介。片頭痛から腹痛になる場合があるということに驚きました。

擦過傷、熱傷、突き指、足関節捻挫など良くある事例について対処法を分かりやすくレクチャーしていただきました。

そして、講義の後には、参加者の皆様に「講義で疑問に感じたこと」「北垣先生に聞いてみたいこと」を質問用紙にご記入いただきました。

初めての試みということもあり、どのくらいの質問をいただけるか未知数なところもありましたが、たくさんの質問をいただくことができました。

 

取り上げる質問を選びながら、「こんなことがあるんだ…」「先生方はこういうことで困られているんだ」と興味津々の北垣先生。

養護教諭の皆さんの悩みに寄り添い、本当に役に立つことを伝えていきたいという想いが強い北垣先生だからこそ、現場の先生方に支持され続けているのだなと実感しました。

 

【ランチョンセミナー】「子どものパフォーマンスを引き出す栄養と食事」

講師 :田中恭子さん(日本ケロッグ合同会社 マーケティング部 ケロッグ栄養アドバイザー、理学博士・管理栄養士)

 

お昼の休憩時間にはお弁当を召し上がりながら、日本ケロッグ合同会社の栄養アドバイザーで理学博士・管理栄養士の田中恭子先生から「子どものパフォーマンスを引き出す食事と栄養」の話を聞きました。

 

体をつくっているのはどんなものがあり、それぞれの役割と具体的な食品の紹介。

年連別、性別、活動量の大小により必要なエネルギー量とそれに必要な食事の量などの目安などの解説がありました。

 

強調されていたのは、

①糖質は大事なエネルギー源だが、からだの中に蓄積できないため、3度の食事でしっかり補給特に朝食は重要。

②エネルギーが不足した状態では、たんぱく質も分解されてエネルギー源となってしまうのでお腹が空いた状態での部活道や部活道後の長い空腹時間は問題。朝練前のごはんは大事で、バナナや果汁100%のジュースでもいい。

③体のパフォーマンスを引き出すためのポパイのほうれん草のようなものは実際にはない。

④保護者のいない時、場所でも自分で調整できる力も必要…という点でした。

 

【第二講座】「発達障害を持つ生徒への対応・サポート」

講師:肥田裕久先生(ひだクリニック 院長)

 

雑「健」の執筆や各種講演など忙しい日々を送られている肥田先生。

今回の講演では、発達障害のサポートで大切なこと、明日からの実践に役立つヒントをお話しいただきました。

 

「発達障害は、なぜ支援しにくいのか?」

支援しにくい理由として、

・言葉は通じても、気持ちが通じ合わない

・面談をしていても、期待する反応が返ってこない

・面談を繰り返しても、成果が積み重ならない感じがする

・常識がない。例えば挨拶しないし、時間を守れない

・自己理解ができていない、誤った確信が修正できない

・家族への対応が、これまた大変…などなど、先生方の本音に触れ、大切なことは困っている事にどう向き合えるか、どう考えていけばよいのか、というお話が印象的でした。

 

講義では、「自閉症スペクトラム障害」 「注意欠如・多動性症(ADHD)」について解説。

それぞれの各症例の特性や、なぜこう考えるのか?なぜこういう行動を取るのか?を生徒目線で学んでいきます。

 

普段見ている光景でも、健常者とアスペルガー症候群の方では、見ているものが違うということが写真で解説され、一つのことに集中してしまうという特性を分かりやすく理解することができました。

 

「感覚鈍麻」や「感覚飽和」を内側から見てみると…?

私たちは入ってきた情報に対して優先順位を付けられますが、発達障害を持つ生徒たちは身体やモノからたくさんの刺激や、それにまつわる情報が久しく引き出されてしまいます。

そのために、意味や行動をまとめあげるのがゆっくりになったり、「こだわりが強い」「頑固だ」と言われがちですが、それは一時的な特徴ではなく、意味や行動がまとまらないことによる不安や恐怖の結果であること、そして「何か理由があるからだ」と発想を変えれば、対応が変わるというお話をしてくださいました。

また、「注意欠如・多動性症(ADHD)」の話では、ADHDの子どもの世界を疑似体験する動画を鑑賞。

 

野球の練習に行きたいのに、興味の対象が次々とそれてしまい、捨ててある雑誌を見たり、忘れ物をしたり、踏切を越えようとしたり…ADHDの子どもが何かをしようとしたときにいかに困難な状況におかれるかをバーチャル体験することができ、理解を深めることができました。

 

その後、薬物療法で使われる薬の知識や、バランスを取って生活するためSST(ソーシャルスキルトレーニング)や、認知行動療法の有効性を紹介。

発達障害を持つ方の受け止め方の例や問題行動と捉えてしまうと悪循環に陥ってしまうことなどのお話があり、発達障害の生徒をサポートする上で大切なことを、とことん解説していただきました。

肥田先生の歯に衣着せないトークを交えた解説に笑いが起きる場面も多く、あっという間の一時間半でした。

 

【第三講座】「実践養護臨床塾Ⅱ」

講師:北垣毅先生(花見川中央クリニック 院長、千葉大学医学部 臨床教授)

 

第一講義に続いての登場となる北垣先生が、皆様からの質問にお答えてくださいました。

 

運動器検診を終えたばかりのタイミングということもあり、ここでも「膝を屈曲するとパキパキ音がなる、大丈夫?」「しゃがみこめない、前屈できないだけで受診は必要か?」「側弯症の予防方法は?」「腰椎分離症で痛みがない、本当?」「オスグッドの治療は、大腿四頭筋の強化が正しいのか」「成長痛は様子を見ていいのか」などの質問を多くいただきました。

 

日頃、先生方が悩んでいる疑問に一つでも多く答えようと、スピーディーに的確に答えていく北垣先生の姿が印象的でした。

ほかにも広範囲にわたって質問が寄せられましたので、一部をご紹介致します。

 

「先生方から寄せられたお悩み相談」

・生理痛の場合は温めるが、ほかの腹痛は温める?

・迷走神経反射で倒れるメカニズムとは?

・浣腸は医療行為?

・便秘の保健室対応は?

・圧痛のない中耳炎はあるのか?

・片頭痛の対応について

・湿潤治療での感染の可能性について

・傷口には洗浄か消毒か、洗うだけでも良いのか」

・目の打撲について 

 

そして、後半は、学生さんをモデルに午前中に解説しきれなかった部分を実演・解説。

遠くの席の先生方にも見やすいよう、スクリーンに映像を投影しながら解説していただきました。

 

北垣先生の質問コーナーは初めての試みということもあり、皆様に満足いただくため、北垣先生や企画にご協力くださった養護教諭の先生方にご意見をいただきながら進めて参りましたが、「とても有意義な試みでした」「質問ができて良かったです。自分以外の質問が共有できてとても勉強になりました」 といった反応をいただくことができ、満足度の高いセミナーになったのではないかと思っております。

 

 《参加者のお声》

北垣先生、肥田先生、お二人とも養護教諭の日常の職務をご理解の上での講演をしていただき、普段の救急搬送の基準、SSTの実践など、職務に実践できる内容でした。分かりやすい資料とランチョンセミナーのお話が充実していてよかったです。どの内容もすぐに学校で先生方と共有できるもので、生徒への効果的な対応が出来るとい思いました。腹痛の対応が分かって良かったです。昨日、一年生男子の対応をしたばかりで、とても痛がり、自分の対応に迷っていました。
実際にモデルの方を読んで実演してくださったのが分かりやすくて良かったです

肥田先生のお話は、子どもの見方を変えるヒントをいただき、元気をもらえました。北垣先生のお話は、保健室の現状をよくわかっていることが伝わってきて嬉しかったです。実演はとても良かったです。

Q&Aがとても良かったです。普段なかなか聞けない細かいことを聞くことができました。

北垣先生のフィジカルアセスメント(救急対応)についての講義をたっぷりと受けることができて、勉強になりました。申し込み時にも事前に質問を受け付けてくださっていたので、講義で知りたかったテーマ(内容)を取り上げていただけて良かったです。

 

 

【セミナー担当者より】

この他にもたくさんの貴重なご意見を頂戴しました。

 本当にありがとうございました!皆様のまたのご参加をお待ちしております。

 

 


養護教諭セミナー2016 in 福岡

6月5日(日)、博多バスターミナル9階ホールで、養護教諭セミナーを開催しました。

熊本からも複数名ご参加をいただき、当日朝に日豊本線が運休、その後遅延の中を大分からもかけつけてくださいました。

 

第一講義「その時、保健室はパニックに?!救急・災害医療のプロフェッショナルが語るいざという時の対処方法」

講師:畑 倫明先生(祉会医療法人 縁泉会 米盛病院トラウマセンター長

 

第一講座は社会医療法人 緑泉会米盛病院の救急医である畑倫明先生から「その時、保健室はパニックに!救急・災害医療のプロフェッショナルが語るいざという時の多処方法」と題してお話をいただきました。

もともと災害に関してお話される予定でしたが、熊本地震の後でもあり、さらに災害に関する内容に重きを置いて話されました。

今講義では、災害時にすべきことを3つの段階に分けてお話しくださいました。

 

①災害発生時、直ちに行うこと(CSCA)

CSCAの日本語版では「寿司安城抱擁場所取り」と覚えます。

スイッチ(を入れて)大災害の宣言・・・・と続きます。

運動会の練習中に生徒が熱中症でバタバタと倒れた場合を例にとり「寿司・・・」に沿って受講者の方々に具体的に何をすべきか書き出してもらい、その後先生から解説をいただきました。

 

②次に行うこと(外傷患者のトリアージ)

続いて、次にすべきことの順番として、トリアージ(選別)→トリートメント(治療)→トランスポート(搬送)となります。

 

通常は搬送して治療となりますが、多数の傷病者が同時に発生した場合に一度には搬送できないため、治療優先順位を決定することが必要になります。それがトリアージ(選別)と言います。

トリアージの方法はいろいろありますが、「軽傷の人は壁側に寄って」とまず大まかに絞り込み、「歩ける人」「声が聞こえたら手を挙げて」など、具体的な方法を教えていただきました。

トリアージ中は治療しないことが原則ですが、例外もあること、そしてトリアージ後の治療についてお話してくださいました。

 

③しばらくしてから行うこと(心のケア)

災害時の心の問題として、PTSDの詳しいお話をお聞きしました。

 


第二講義「学校における性教育の考え方、進め方~どこまで扱うか、学内外の理解を得るには~」

講師:大川尚子先生(関西福祉科学大学 健康福祉学部健康科学科 教授)

 

昼食休憩を挟んで、第二講座は関西福祉科学大学の大川尚子教授による「学校における性教育の考え方~どこまで扱うか、学内外の理解を得るには」でした。

最初に、保健学習に関する文部科学書省や学習指導要領の見解、子どもたちの性行動(コミックなどで誤った知識が入っている危険性など)を紹介した後、大川先生自身が現場の養護教諭時代に保健学習で性教育を行った時の映像を見せていただきました。

小学生の反応は非常にリアルでした。

 

次に性教育を行った教員や校長が東京都から厳重注意処分を受けた七生養護学校事件や、当時の都知事、首相らの性教育に対するコメントマスコミによるバッシングの紹介、またテレビドラマでの取り上げ方なども紹介されました。

学習指導要領や教科書の変遷なども紹介され、性教育は非常にデリケートな問題であることがよく理解できる話でした。

 

続いて、日本性教育協会から出されているデータを元に性の実態が紹介されました。「異性と親しくなりたい」と思う生徒は年齢とともに男女ほぼ同じように多くなっていくのに対して、「性的欲求を感じたことがある」のは男女で大きく違っているというのが非常に印象的でした。

 

最後に性教育における養護教諭の役割は重要であるとともに、授業にあたっては、児童の発達段階を踏まえること、他の教諭と連携をとること、家庭にはこういう考えで授業をすることを伝えて協力を得ること、授業参観を公開にすることなど、学内外の連携が極めて大事であることを強調されました。

 


第三講義「生徒の精神科受診を保護者に奨める見極めと留意点」

講師:内野俊郎先生(久留米大学 医学部 神経精神医学講座 精神科医)

 

第三講座では、久留米大学医学部の内野俊郎先生に「子どもの精神科受診を親御さんに奨める見極めと留意点」をテーマにお話をいただきました。

 ①精神科の病気にまつわる誤解・偏見について

精神科の病気は危険、治らない、滅多にない特殊な病気、本人の性格の問題など、様々な点について誤解や偏見であることをデータや身近な例を挙げて解説されました。

感染症でウイルスなどの悪者が除去されると回復するというのが病気の基本モデルですが、癌や統合失調症などはモデルに当てはまらないため、悪者探しをしても意味がない、精神科の病気は「心の弱さ」が原因ではなく、病気になるから「心が弱くなる」というのは目から鱗でした。

 

②思春期に顕在化しやすい精神科疾患

不登校の原因となるメンタルヘルスの課題、児童・生徒のうつ状態(うつ病)、思春期の自傷・自死、統合失調症、摂食障害、児童・生徒のPTSD、睡眠障害などについて解説をいただきました。

 

③医療へ繋ぐとき、本人・保護者にどう伝えるか

初期対応の原則→まず聞き役に徹すること、支援者としての表明を明確に。

医療につなげるタイミング→自傷行為、自殺行為(具体的計画)、本人が望んでいるなど

 

最後は「保護者にどう伝えるか」について、子どもの様子に気付いていない親御さんの場合と、実は気付いている場合に分けて教えていただきました。

「心の問題から入らない」「学校と違う認識であっても、気付きがあればそこを糸口にする」「親が持つ自責感に最大の配慮をすること」など、非常に実践的で具体的なお話でした。

 


 《参加者のお声》

専門家の方のお話を直接聞く機会がなかなかないので、とても勉強になりました。また機会があれば参加したいと思います。具体的な内容で話をしていただいたので、分かりやすく、また現場でも生かせることが多くあったように感じます。とてもためになるセミナーでした。私は看護学部出身なので、CSCAや精神科領域など知っていることもたくさんありましたが再び学び直すことができたと思います。
具体的資料、HPの紹介もあり実際に利用してみたいと思いました。心の問題、性教育ともに難しいですが、他教員と協力して無理のないよう取り組みたいと考えます。

畑先生の講義では重症度を見極めるポイントがとても参考になりました。大川先生の講義では、性教育において家庭とどう連携し子供たちに伝えていくのか勉強になりました。内野先生の講義では、初期対応の原則、医療機関につなげるタイミングなど、今後に生かしていこうと思います。

 

 

【セミナー担当者より】

この他にもたくさんの貴重なご意見を頂戴しました。

 本当にありがとうございました!皆様のまたのご参加をお待ちしております。